ポジポジ病院通信 第三十二回:デモポジ?リアルポジ?

 デモトレードの世界では、私は無敵だった。

  • エントリーは完璧なタイミング

  • 利確も損切もルール通り

  • トレードノートには名言が並ぶ

  • 冷静沈着、感情ゼロのAI系トレーダー

「これはもう、プロだな」
「今の俺なら資金管理セミナー開けるぞ」
「年利300%、いける(錯覚)」


そして迎えた、運命のリアルトレードデビュー。

資金を入金。ログイン完了。いざ、尋常に――

あれ?
手が震えてる?
なんか、心拍数上がってない?
「バチコーンッ」てエントリーしちゃったんだけど!?


● アドレナリン暴走モード発動

リアルポジのボタンを押した瞬間、
あなたの中の冷静なAIトレーダーは蒸発します。

代わりに現れるのは――
“感情でポジる人間”の中でも最上位クラスの野生型トレーダー”。

  • スプレッドの広がりにビビる

  • 予想外の動きにキレる

  • 損切りができず見守る(“耐える力”だけ上昇)

  • チャートを見ながら「頼むっ!頼むってばぁぁ!!!」と念を送る

もはやFXというより呪術


● よくある勘違い

「デモで勝てたんだから、リアルでも同じことすればいいだけ」
違います。
それ、スポーツジムのランニングマシンで無敵になったから、いきなり箱根駅伝出る人の理屈です。


● なぜ人は“リアル”で豹変するのか?

それは――「失うもの」があるから。

  • リアルマネー

  • 自尊心

  • SNSで言っちゃった「俺、勝ち続けてる」発言

  • 家族に内緒で入れた10万円

これらがすべて、エントリーボタンを押した瞬間、
「アドレナリン燃料」として点火されるのです。


● 処方箋:本番を“本番にしない”メンタル作り

  • 少額で「リアルだけど気楽」な環境を作る

  • ロットを1/10にして“トレード筋”を育てる

  • ポジる前に「これはデモ」と3回唱える(※効くかは知らない)

  • リアルトレード時は部屋を暗くして、落ち着いた音楽をかけると野生化を防止可(当社比)


● まとめ

デモポジで勝てても、リアルポジで野生化してしまっては元も子もありません。

ポジポジ病の真の恐ろしさは、
「ポジるかどうか」じゃなくて、**「感情でポジってしまうその瞬間」**にあります。

アドレナリンが湧いたら深呼吸、
心が震えたらスマホを置いてコーヒーでも淹れましょう。

ポジポジ病の卒業は、
**“リアルポジでも感情を揺らさずにいられる自分”**との勝負です!




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