ポジポジ病院通信 第三十一回:ポジポジ中期症状。都合のいいライン探し

 「トレードはテクニカル分析が命!」

そんな言葉を真に受けたある日、
あなたのチャートは――線まみれになった。


● どんどん引けるぞ!トレンドライン無限ガチャ

上昇トレンドっぽく見えたら斜めに1本、
一回止まった値段があったら水平に1本、
安値と安値を結んでみて、反発したらまた1本、
「トレンドラインだしょ!」とばかりに斜めにズバッと…

気づけば、チャートはまるでスパゲッティコード
(本人には“精密な設計図”に見えている)


● 探すんじゃない、生やしてるんだよ

普通のトレーダー:「このラインが意識されていそうだ」
ポジポジ病中期のあなた:「このライン、意識したい!!!」

線を引いたその瞬間から、
そのラインに価格が反応するよう祈り始めるという摩訶不思議現象が発生。
もはや相場ではなく、占いか儀式か自己暗示


● 都合のいいラインだけ採用

① 10本くらい線を引く
② 自分の「買いたい」気持ちと一致してるラインだけを採用
③ 「反発しそう…ほら、線あるし!」とポジる
④ 損切り
⑤ 線を1本削除、また引き直す

この行為を何度か繰り返すと、最終的に**“いま引いた線”を根拠にポジる**ようになります。

完全に、ライン先行型のポジり回路


● ラインが多い人ほど損してる説

たしかにプロのチャートにもラインは引いてあります。
でも、それは**“過去に機能した”根拠ある線だけ**。

ポジポジ中期患者の場合は、

  • 引いた理由は「そこに線が引けたから」

  • 機能したかどうかは「信じるか信じないか」

  • 次の日には「引いた理由は忘れている」

という、自己都合テクニカルが炸裂します。


● 処方箋:線を“減らす”勇気を持とう

  • 引いた理由が3秒で説明できない線は削除対象

  • 「線に相場が合わせてくれる」思考から卒業

  • 自分が引いた線にポジる前に「もし友達が引いてたら信用するか?」と自問

少数精鋭のラインこそ、最強の味方。


● まとめ

ポジポジ病中期によく見られるのが、
「根拠なきラインを根拠にしてポジる」という美しき矛盾

それ、もうチャートじゃなくて、
自作のアート作品です。

“ポジる理由”を探して線を引いてはいけません。
“線を信じたいからポジる”なんて、愛が重すぎるのです。

どうかあなたのチャートが、
光る3本の神ラインだけが残る美しい景色になりますように。

ポジポジ病院通信 第三十回:ポジショントーク?そういう意味ではないですよ!

 ある日、相場観を語り合う仲間たちの会話の中で――

A「まあ、それってポジショントークだよね」
ポジポジ患者「!?!?!?今ポジって言った!?どこ!?どの通貨!?」

こんな反応をしてしまったあなた。
その過剰反応、完全に末期のポジポジ病です。


● そもそも“ポジショントーク”って何?

冷静になってください。
「ポジショントーク」とは本来――

自分が有利になるように言葉で世論や相場を誘導する行為。
例:自分がドル円ロング中 →「円安しか勝たん」とツイート連投。

つまり、心理的なポジション取りの話であって、
新規注文のチャンスではありません!!


● でも患者はこう聞こえる

  • 通常の人「ポジショントーク」

  • ポジポジ病患者「……ポジ……ポジ……今すぐエントリー!!!」

会話に“ポジ”の2文字が入っているだけで、
なぜかMT4アプリを起動してる自分がいる。
反射神経、もはやネコがレーザーポインターに反応するレベル。


● あるある誤解集

  • 「ポジショントーク禁止って言われてる!」
     → SNSでのトレード論争に自分の未決済ポジションを堂々披露するのは違う意味でアツい。

  • 「この人、ショートのポジショントークしてる…つまり今からロングで逆張りだな!」
     → それが狩られるパターンのフラグです。

  • 「ポジト…って言ってるってことは、仲間だな!」
     → 相手はただの経済コメンテーターです。多分ノーポジ。


● ポジポジ病との関係性

実は、ポジショントークという言葉に反応してしまうのは、
常にポジションを持っていたいという精神的飢餓感の表れです。

この状態になると、もはや「ポジ」=「生存確認」となり、
言葉の“音”ですらトレードチャンスと誤認してしまいます。


● 処方箋:言葉は意味で聞こう

  • 「ポジショントーク」と言われても、反射でアプリを開かない

  • 「今ポジってます?」と聞かれても、ノーポジでも胸を張って答えよう

  • 「ポジトーク」って略されても、落ち着け、それは別の話だ

まずは言葉を冷静に意味で受け止める力を取り戻しましょう。
それが、ポジポジ病克服の第一歩です。


まとめ

「ポジショントーク」は注文のサインではありません。
それは、情報戦・心理戦の世界で使われる言葉。
でも、ポジポジ病のあなたが“誤認エントリー”をしないように、
今ここで覚えておきましょう。

ポジション=持ってるもの
ポジショントーク=持ってる人の話
ポジポジ病=持ってなくてもポジる病気

落ち着いて、深呼吸して、ポジショントークに踊らされず、
自分のトレードルールを信じて進んでいきましょう!

ポジポジ病院通信 第二十九回:あの日の怪談話

あれは、ある夏の蒸し暑い夜のことでした。
その日は珍しく冴えに冴えていて、トレンドもきれい。
押し目でしっかり拾って、買い増しもバッチリ。
これは決まった…そんな確信がありました。

チャートは順調に上昇。
指値は使わず、**“自分の手でフィニッシュを決めたい”**という
謎の演出欲に駆られ、指はマウスに伸びました。

そして…天井圏でのあの瞬間。

カチッ……

……

…………無反応。

……え?
今押したよね?
カーソルはある、決済ボタンも光ってる、でも……反応がない。

もう一度。

カチッ。
カチカチカチカチカチカチカチカチッ!!

……無反応。

あれ?フリーズ?
プラットフォームのバグ?
回線切れた?いや違う……?

その間にもチャートは反転しはじめ、
含み益は、音もなく減っていく。

あんなに輝いていた+120pipsが、
+80、+50、+20……
そして——

マイナス5pips(手数料込みでチョロ負け)


● 原因は……

すべてが終わったあと、
私は手元のマウスをそっと裏返しました。

点いていない……。
電池……切れてるじゃん……

その瞬間、静かな部屋に
「ピコーン(損失確定)」の音だけが虚しく響きました。


● 対策:怪談を繰り返さないために

この恐怖を再び体験しないために、
以下をぜひチェックしましょう:

  • 無線マウスのバッテリー残量は定期的に確認を!

  • 予備の有線マウスを近くに常備しよう

  • できれば決済は指値で事前に置いておく方が安全です

  • …ていうか「演出に酔って手動決済したくなる病」も立派なポジポジ病の一種です!


● まとめ

勝っていたはずのポジションが、
決済できないまま終わってしまったあの夜。

原因は、心霊現象でもトレードの才能不足でもなく、ただの電池切れ。

この話はもちろんフィクションですが、その“ちょっとした油断”が、
FXではリアルにお金を消し去る怪談話になるのです。

みなさん、備えましょう。
そしてこの夏、ポジポジ病+機材トラブルのホラーコンボにご注意を!

ポジポジ病院通信 第二十八回:目を閉じて 頭に響くは ポジの音

 ある夜ふと、トレーダーは思うのです。

「最近、チャートよりも“音”で満たされてる気がする…」

目を閉じると、そこに浮かぶのはローソク足ではなく、
あの音。
そう、ポジの音。

「バコッ」
「チャリーン」
「ピコーン」
「ガォォォォォン!!!」

――あなたの耳にも、鳴り響いていませんか?


● 音を愛でる者たちの末路

ポジの音、それは本来“エントリー”や“決済”を知らせるための効果音。
しかし、ポジポジ病患者にとってはそれが脳に快感を直送するトリガーになります。

  • 「この音…癖になるんだよね…」

  • 「無音でポジるなんて、考えられない」

  • 「あれ?音が出ない…やべぇ、ポジれない(禁断症状)」

そんなあなたはもう、チャートを見ていない
耳で取引している。

プラットフォームや業者によって、そのサウンドは千差万別。

そして、ポジポジ病患者は自分のお気に入りの音を探して業者を渡り歩くのです。
もはや音フェチ転職


● 音が鳴る=生きてる証?

“ポジの音”は、ポジポジ病患者にとって「生存確認の鼓動」に近いもの。
チャートが動いてなくても音さえ鳴れば安心。
そして無音が続くと不安になり、とりあえず音を聞くためだけにポジる

…完全に、音中毒です。


● 対策:まずは音を切ってみましょう

  • 音をオフにする

  • 音ではなく“ルール”でポジる

  • ポジったとき、音が鳴らなかったら「ラッキー」と思える練習をする(高度)

“耳に快感”が入ってくると、脳は判断を委ねやすくなります。
音による「トレード報酬システム」は、知らず知らずのうちにギャンブル脳に近づけてしまいます。


まとめ

ポジの音にときめきを感じたあなた、すでに“耳ポジ病”のステージです。
そしてその先には「鳴らすためにポジる」「音を聞いて落ち着く」という、底なしの中毒沼が待っています。

ポジポジ病克服の第一歩は、音じゃなくて根拠でポジること。
チャートを“見る”、ルールを“守る”、そして“耳”は一度、休ませてあげましょう。

…それでは、最後にひとこと。

ガォォォォォン!!(※ホンモノ)


 

ポジポジ病院通信 第三十一回:ポジポジ中期症状。都合のいいライン探し

 「トレードはテクニカル分析が命!」 そんな言葉を真に受けたある日、 あなたのチャートは―― 線まみれ になった。 ● どんどん引けるぞ!トレンドライン無限ガチャ 上昇トレンドっぽく見えたら斜めに1本、 一回止まった値段があったら水平に1本、 安値と安値を結んでみて...